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2014/01/09

つげさん・み・こらそん

つげさん、といえば我が家では「つげ義春」を指す。芸術新潮での特集本やっとこ買ったが、「紅い花」全ページがカラーで採録されていた。白黒原稿を意図的にカラーで載せたから、原稿の黄ばみやセロテープの焼けた色など、実に生生しく出ている。
 そこで家人が言ったのだ。「ほとんど ホワイトの修正が無いね」。
 
さすが、私の原稿のホワイト修正を長年やっているだけに、目のつけどころが違う。言われて見て、はっとした。そうなのだ。あまりに見事な線ではないか。枠線の外にほとんどはみ出さないし、原稿自体が そういう意味でほとんど汚れていない。「紅い花」は、あまりに美しい。そこには、締め切りギリギリで描く荒さではなく、素晴らしい静けさが流れている。
 「影切り森の銀ハープ」のなかの駒割り、そこに、み・こらそんの天才へのオマージュとして、「紅い花」は描かれている。