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2013/10/31

感情移入

白象が酷く扱われる場面、そして嘆きのなかで泣く場面。そうした箇所を描くのは苦しい。象に入り込まなくてはならないからだ。ジョバンニは苦しかったし、かま猫も苦しかった。そして今回の苦しさは、やはりすでに書いたように、奇妙な距離によって薄さを持っている。賢治は白象に対し、かま猫のときのような感情移入をしていない。オツベルと象は 賢治が持っている「ニヒル」さが出ている。